蹴球力を鍛える

京都サンガ、Jリーグ、ひいてはサッカーに関すること全てのサポーターです。

2016.9.24「矢島倫太郎の成長」オーストリア2部第10節 SVホルン vs FCリーフェリング

2016.9.17

オーストリア2部リーグ第10節

SVホルン2―3 FCリーフェリング

得点者

オリバーフィリップ(25') (FCリーフェリング)

 クサーヴァーシュラガー (56') (FCリーフェリング)

矢島倫太郎(76') (SVホルン)

ルビッチ(80')(SVホルン)

ハンネスウルフ(85') (FCリーフェリング)

MOM:4シュレーガー(FCリーフェリング)

 

第10節、SVホルンの相手は首位のFCリーフェリング。

言わずと知れたオーストリア1部でここ数年トップをひた走るザルツブルグレッドブルグの2軍チームです。

スタメンには各国の有望な若手選手が集い、21歳のキーパーが一番年上という陣営です(ちなみにフィールドプレーヤーでは20歳の奥川雅也が最年長タイ)。

苦しい戦いが予想される中、意外にもSVホルンのペースで試合は始まります。

1トップを務める23スリマニに、この試合もボールを集める戦法なのですが、この試合序盤は彼によくボールが収まったところがホルンのペースを作ったのでしょう。

しかし時間の経過とともに地力の差が表れ始め、リーフェリングが試合を支配し始めます。

前節戦ったLASKリンツも前節の時点では首位を走る強豪でしたが、リーフェリングのサッカーはオーストリア2部では異質と言ってもよいでしょう。

はっきり言ってしまえばザルツブルグの2軍。シーズン内での1軍2軍の選手の入れ替えも多く、有望な若手の寄せ集めチームなのですが、コーチが優秀なのかシーズン半ばで選手間での戦術理解が浸透したのか、実に見事な連携を見せています。

間違いなくこのリーグで一番強いチームでしょう。

チームの間に明らかな地力の差があるホルンとリーフェリングですが、案の定前半に1点、後半始まってすぐに1点、合計2点をホルンは失点してしまいます。

完全なる負け試合の展開。

重苦しい空気が流れる中、試合の流れを大きく変えたのは20矢島倫太郎でした。

ホルン最大の武器であるセットプレーのこぼれ球を、PA外からボレーシュートをきれいに突き刺します。1-2

この1点で完全に流れが変わり、その4分後にはカウンターの流れからルビッチが綺麗なコントロールミドルシュートをゴール左隅へ!2-2

 もう完全にホルンのパターンと言ってよいでしょう。「2点差は怖い点差」という風説を地で行く展開です。

 しかし得てして現実はうまくいかないものです。

83分、リーフェリングのクロスが3ボーテルにあたり、不運なオウンゴールが生まれてしまいます。これで2-3。 

ここで試合終了。残念ながらホルンは敗れてしまいました。

ホルンにとっては更に不運なことに、試合終了間際、ホルン最大の武器と言ってもいい正確なセットプレーの持ち主である、左SB,デンナーが負傷交代してしまいます。

ホルンにとってはつかみかけた勝ち点を、おつりをつけて返上しなくてはならない苦しい試合となってしまいました。

 

日本人の評価

権田修一(フル出場)

・・・この試合も安定していました。

ホルンの守備だけではなく、その正確かつ素早いキックによって攻撃の要にもなっています。大車輪の活躍とはこのこと。

 

・矢島倫太郎(先発出場、86分途中交代)

・・・無難な試合運び。

決めたゴールは見事の一言です。

試合を追うごとにチームにフィットしている感が出てきました。

もはやチームには欠かせない存在ですね(主にパス回しの部分で)。

ホルンの選手の中では1つ抜けた才能を感じます。

しかし、リーグ全体で考えれば、特に今節の相手であるろーふぇリングの選手と比べると埋もれてしまう感があるのも事実。

更なる飛躍に期待しましょう。

 

榊翔太(64分から途中出場)

今節は比較的長い時間プレーしていました。

していましたが、目立ったプレーは見せられず。

一度裏抜けからアシストもののクロスを上げましたが、得点には結びつかず。

ステップアップに向け、厳しい戦いが続きます。

 

・新井瑞樹(86分から途中出場)

浦和ユース上がりの19歳。

今節初出場を果たしました。

短いプレー時間ながらも、ユース時代から光っていたドリブルの技術を見せつけました。

FWでもよいプレーを見せる選手ですが、ホルンの1トップシステムでは再度出場が続きそうですね。

これからの成長が期待される逸材です。

 

・奥川雅也(フル出場):FCリーフェリング

・・・京都サンガFCが生んだ若きアタッカー。

今シーズンはじまって全試合スタメン出場、2アシストを記録しています。

この試合でも要所要所で華麗なトリックで魅せていました。

テクニシャンぞろいのリーフェリングの中でも、「一番うまい」選手なのは間違いありませんが、「一番怖い」選手にはなりきれていないんだろうな、というのが感想です。

厳しい見方をすると、この試合ではインパクトという意味で他の若手に喰われていました。

例えばリーフェリング4番の守備的ミッドフィールダーのシュレーガー選手。

年代別オーストリア代表の常連で、この試合でも得点に守備に大活躍でした。

近い将来必ず大舞台に出てくるという予感があります。

要チェック!

奥川も日本の将来を背負って立つ存在なのは間違いないので、これからに期待したいところです。

 

これでホルンは第10節終わって9位。厳しいですね~。

5位までは勝ち点差5以内に密集しているので、今の間に順位を上げたいところです。

矢島倫太郎の成長が目立った試合でしたが、より一層の伸びを期待したいですね。

初出場の新井選手も良いタレントを持っている選手です。

これからもSVホルンを見守りましょう!

 

 

 

 

 

【衝撃】これがSVホルンのメンバーだ!

1 権田修一 GK

このチーム最大の希望。

一対一での反応、クロス対応、ポジショニング、キックと4拍子揃ったホルンにはもったいないGK。

後述の通りDFラインがガタガタであるため、一試合を通して彼の活躍を見る機会は非常に多い。

これも後述するが、ホルンは自陣~中盤のゾーンで上手くパスをつなげるわけでもないので、彼から1トップ、ないしは両ワイドへ長距離キックはホルンの数少ない攻撃パターンの1つ。

 

18 デンナー 左SB

このチームの希望①

守備力はともかく、彼の正確なキックはホルン最大の武器。

相手陣内でのセットプレイなら、どこからでもチャンスを作り出せる彼からのキックに、ホルンの得点は依存している。

第10節にて負傷。

まあまあヘディングが強い。

 

3ボーテル CB

背が高く、ヘディングが強い。

たまにセットプレイから点を決める。

ハーフナーニッキよりは)俊足。つまり一般的に言うと鈍足。

ジョルジェビッチの第1介護担当。

 

7ジョルジェビッチ CB

攻め上がりおじさん。

全盛期のルシオ並みの攻め上がりへの意識を見せる。

ハーフナーニッキとボーテルよりは)俊足。

妙にドリブルが上手く、チェイシングに来た相手FW2人をスルスルかわすシーンがよく見られる。

しかし年齢的にロートルベテランの域にあるため、連戦の中での起用がつらい。

若手ドリブラーが多いオーストリア2部では、後半ほぼ置物と化す。

イエローカードも貰いがち。

ホルンDFラインが崩れる主な原因である。

ヘディングが強い。

 

19ヴァルチ 右SB

ごく稀に攻めあがるが、戻りが遅い。

まだ若く、フィジカルが自慢。

ロングスロー持ち。

背が高く、ヘディングが強い。

 

17 ヴァレラ アンカー

カーボヴェルデ代表。

このチームのアンカーにして1ボランチ

フォーメーション的にはチームの心臓だが、消極的なプレーが目立つ。

よく最終ラインに吸収され、ホルンの最終ラインが激低になる原因を作る。

フォーメーション的に仕方のないことだが、彼のサイドを崩されることが多い。

身長が高く、ヘディングが強い。

 

28 プライニンガー 右WH

突破力がある(らしい)。

ドリブルが持ち味(らしい)。

守備力がほとんどない。

守備にほとんど戻らないためにプレッシャーがかからず、彼とアンカー、そして右SBの間のスペースを崩される原因を作っている。

よく榊と交代するが、スタメンで出ているからには何かストロングポイントがあるはずだ(と思いたい)。

これからの彼の活躍に期待だ。

 

20矢島倫太郎 シャドーストライカー

このチームの希望②

ラストパスの精度はまあまあといったところだが、このチームの中盤で唯一と言っていいほどボールが収まる。

身長的には大きくはないが、体の大きな相手にも競り負けずにボールを散らすことができる。

守備にもよく顔を出し、ファイト溢れるプレーを見せる。

またポリバレントな選手でもあり、右のワイドに中央、そして右のSBも無難にこなせる。

 

22ルビッチ シャドーストライカー

本田圭佑注目のMF。まだ若く、センスあふれるプレイを見せる選手。

得点力があり、ヴァイタルで輝くが、試合中は主に消えている。

もう少しボール回しに積極的に関るか、裏に抜ける動きを見せるようになると化けるか。

 

9 ケビン・タノ 左WH

このチームの希望③

本田圭佑注目のアタッカー。2016~17シーズンからチームに加わった選手。

身体的なアジリティに優れ、テクニックもチームで一番ある。

一発を沈めるシュート力もあり、第11節ではミドルレンジ右斜め約45度からゴール左上隅にゴールを決めるという離れ業を見せつけた。

ホルンの攻撃は矢島と彼の連携からそのほとんどが始まる。

 

23スリマニ ST

4-1-4-1の1トップ。

ボールは収まらない。

アツくなりやすく、よくカードをもらう。

チームの暫定得点王。

 

 

雑記

9/24時点での(主な)スタメンを紹介しました。

ホルンの最終ラインは控えも含めて皆背が高くヘディングが強いのですが、クロス対応はめちゃくちゃなため、皆ボールウォッチャーになってしまいます。

何とかなりませんかね…

彼らに加えて愉快なベンチメンバーも多数在籍しているので、これからも紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

「ジョゼ・モウリーニョ『KING OF 監督』誕生ストーリー」

2016年現在、サッカーを取り巻く環境は年々規模を拡大し続け、この世界を題材に扱う読み物が毎年山のように刊行されます。

自伝や戦術論、トレーニング方…切り口は無数に存在する中、本日紹介する本は伝記形式で1人の監督に焦点を当てたものです。

ジョゼ・モウリーニョ、海外のサッカーシーンよりは国内の方に明るい私でも、その名前や主だった功績くらいは知っています。

この本は2006年、彼がイングランドプレミアリーグチェルシーの監督に就任して1年目に出版されました。

バルセロナのヘッドコーチをしていた頃から、ポルトガルのFCポルトで栄光を手に入れるまでのモウリーニョの監督人生が主に描かれています。

本著は伝記なので話の流れは歴史が物語る通りですから、本稿では私が読んでいて面白かった、と感じた部分だけを抜粋して紹介します。

 

①選手が常に全力を尽くすとは限らない

「選手の義務は、全力を尽くして戦うことであり、それは結果とは無関係のものだ」(192)とモウリーニョ自身は語りますが、彼が当初ベンフィカに就任した当初、チームはそれもままならない状態でした。

ベンフィカポルトガル国内では有名なチームであり、かつて栄光をほしいままにしたクラブです。しかし、モウリーニョが就任した年、このチームは没落しかけていました。

「プロである以上選手たちはいかなる状況下でも勝利、そして未来の優勝を目指して日々過ごしている」と私は信じていました。けれどもある状況下ではこの前提が覆されることもあります。

モウリーニョによると、2000-2001シーズン初めのベンフィカの選手たちは「負けることに慣れてしまっていて、悔しいという気持ちすらもっていない。やる気がなく、練習だってほとんどしていなかった。」(26)「また選手たちの消極的態度も気になった。練習で激しい当たりを避けようとするものがいたんだ。シンガード(スネ当て)を付けないでトレーニングをしているんだから、最初から本気で練習をするつもりはなかったのだろう。ベンフィカのトレーニングは、はっきり言って、話にならなかった。毎日、一流と呼ばれる選手たちがグラウンドに集まってきて、ただ適当にポールを蹴飛ばしたり、軽いジョギングをしたりしているだけだった。」(33)

負けが続いたり、それにもかかわらずお金はもらえたり、なんて状況が続くとプロでもやる気をなくすものだ、というのは新しい発見でした。

先日何かのTV番組で「プロになるような選手は全員それまで常勝のチームでプレーしてきた。だから負けがこむ、という状況になれていない」という内容のコメントが放送されていましたが、確かにそうだな、と思います。

モウリーニョはこのチームを一流のモチベーターらしく華麗に解決するのですが、これからはチーム状況を考えるとき、選手のモチベーションについても考えたいと思います。

 

②Jリーグもエンターテインメント的要素を増やすべきか?

日本とポルトガル、ひいては海外のサッカーシーンにおける違いはたくさんありますが、その中の1つに監督同士の舌戦があります。モウリーニョが特にそういうタイプだということもありますが、試合前のカンファレンスで監督同士が舌戦を繰り広げるシーンは海外サッカーにおいてよく見ることができます。監督自体が本当にアツくなってしまっている部分もあるとは思いますが、その実、これはプロレス的なエンターテインメントの要素であると思います。

このようなインタビューでのやり合いやダービーに代表されるチーム同士の因縁等、これらは試合を盛り上げるためのわかりやすいエンターテインメント的要素です。

モウリーニョは敵の監督がインタビューで行ったことをたびたびやり玉にあげ、時には公的に言い返し、時にはインタビューの記事をロッカーに何枚も張り付けて選手を鼓舞します。

一方Jリーグではチーム同士の因縁が話題になることは多くありません(ゼロではない。松本と長野とか、浦和と広島とか)。

まだまだダービーの時期にお祭り騒ぎになるには歴史が浅いし、監督や選手が敵チームを意識的に”口撃”することもあまり見られません。

単純に「欧州が優れていてJリーグが劣っている」という話ではなく、これからのJリーグの発展のために、欧州の良いところ(=エンターテインメント的要素)も意識的に取り入れていってもいいのではないかと思います。

日本には文化的にそういった対立を望めない、ということはないと思います。プロ野球でいえば阪神対巨人の「伝統の一戦」が好例ですね。

ただ、それが行き過ぎるとサポーターもアツくなりすぎて、モウリーニョのように脅迫の電話がかかってきた、なんてことになりかねないので、何事もほどほどが一番ですね。

 

  

雑記

基本的にモウリーニョの友人が、彼自身の言葉を交えつつ、客観的な文体で淡々とした描写が続く本著ですが、2003年のUEFAカップ決勝についてモウリーニョ自身が執筆した箇所は見事でした。

試合経過と自身の心境を実に見事に交え、試合終了までの彼の心の動きや試合の熱狂が鮮明に伝わってくるような文章です。

これを読んでいるとモウリーニョには文才まであったのか、という気にさせられます(翻訳された方も非凡な才能を持っているのだと思います)。良きリーダーは伝え上手ということなのでしょうね。

紹介したほかにも面白い箇所はいくつもあって、例えば負傷した選手の手術に立ち会ったモウリーニョが「これから負傷明けの選手には優しく接しよう」と決意するシーンや、ベンチに座っていると必ず試合に負けてしまうため、「疫病神」と揶揄されているチームスタッフの話など、盛りだくさんな内容でした。

機会があればぜひ読んでいただきたいと思います。

 

以上「ジョゼ・モウリーニョ『KING OF 監督』誕生ストーリー」の書評でした。

 

 

 

 

 

9/13 「権田修一大活躍!」 オーストリア2部リーグ第9節 SVホルン VS LASKリンツ マッチレビュー

9.13オーストリア2部リーグ第9節 SVホルン VS LASKリンツ 

SVホルン 1-1 LASKリンツ

得点・・・

7分 ヴァルチ(SVホルン)

80分 ルネ・ガルトラ(LASKリンツ

個人的MOM・・・権田修一(SVホルン)

 

 

今日はSVホルン対LASKリンツの試合をレビューしたいと思います。

「レビューしてやるぞ!」と意気込んでサッカーの試合を見たのは初めてだったので、漫然と観戦していた時には気が付かなかった、あるいは気が付いていても特に注目はしていなかった点まで意識できたのは新鮮な体験でした。

このような観戦方法を続けることにより、ブログの表題にも掲げている「蹴球力」が向上するかどうかは不明ですが、その辺は手探りでやっていこうと思います。

なお、本稿は

1⃣マッチレビュー

2⃣試合総評

3⃣日本人選手の活躍

4⃣雑記

の4章で構成します。

さて、今回レビュー対象となるのは9/13に行われましたオーストリアの2部リーグである「エアステリーガ」第9節、SVホルン対LASKリンツの試合でございます。

オーストリア2部リーグは全10チームが総当たりでホームアンドアウェイ方式を2回繰り返す、つまり同じチームと1シーズンに4回、合計で36試合が行われるという方式を取っています。

日本代表本田圭佑が実質的オーナーであるSVホルンは第8節終わって現在8位。10チーム中下位2チームが3部へ降格しますので、降格圏ギリギリの厳しい戦いを強いられています。

一方で対戦相手のLASKリンツは第8節終わって首位。SVホルンにとっては厳しい戦いを強いられること必至です。

その中で迎えたこの第9節、LASKリンツのホームで試合が行われました。

SVホルンの基本フォーメーションは4-1-4-1。

 FW 23 スリマニ

MF 9 タノ MF 22 ルビッチ MF 21 矢島 MF 28 プライニンガー

MF 17 ヴァレラ

DF 19 デンナー DF 3 ボーテル DF 7 ジョルジェビッチ DF 18 ヴァルチ

GK 33 権田

以上が第9節のスタメンでした。

実況を聞いている限り、前節からスタメンを若干変更し始めたようです。

34番ハーフナー・ニッキと4番榊翔太はこのスタメン変更の影響で前節からベンチスタートが続いている、というようなインフォメーションがありました。

ハーフナー・ニッキに関してはCBのスピード不足が懸念材料となり、スタメンから外されたようです。

さて、ともかく試合開始です。

 

試合開始

相手は首位ということもあり、序盤から押し込まれるホルン。

LASKリンツの戦い方で目についたのは、そのパススピード。

カメラの位置がピッチに近いこともあるでしょうが、とにかく矢のようなスピードで横に横にパスを回していました。

その結果SVホルンの最終ラインがズルズルと下げられてしまい、ほとんどワンサイドゲームのような形に。

特にホルンは押し込まれてからのマイナスのクロスに対して完全にフリーマンを作ってしまい、そこから危険なミドルシュートをかなり打たれてしまいます。

しかし集中したディフェンス陣(実況の方も驚かれていましたから、普段よりもソリッドに守っていたのでしょう)と、何より1番権田修一のビッグセーブによって何とか無失点で切り抜けるホルン。

すると7分、右サイドのコーナーキックでした。

19番の左SBデンナーの蹴ったボールに18番右SBヴァルチが高い打点のヘッドで合わせてホルンが先制します。1-0

この試合19デンナーのキックの精度の良さが目立ちました。

身長の高い選手が多く在籍するホルンにとっては大きな武器なのかもしれません。

得点してもとにかく押し込まれる展開が続きましたが、何とか前半を無失点で終えます。

その前半、ホルンはほとんど攻撃の形を作ることが出来ませんでした。

1トップを務める23スリマニに向かってロングボールを蹴るのですが、全く収まらずにリンツに回収され、そしてまた攻撃が始まる…というような状況が多々見られました。

ホルンの両ワイドの選手はいずれもスペースで勝負するタイプらしいのですが、リンツがかなり前がかりになっていたにもかかわらず、カウンターを仕掛けるというシーンが見られませんでした。

セットプレーから1点取れたのは非常に幸運でした。

 

さて後半の開始です。

圧倒的に攻めているにもかかわらず一向に点が決まらないリンツの選手、そしてサポーター(以外にも?スタジアムいっぱい来場している感じでした)は焦り始めます。

61分、ゴールキックのため、ゆっくりとボールをセットする1権田修一に対してリンツサポーターから水の入ったコップのようなものが投げつけられます。

あまり見ていて心地よい光景ではありません。それほどアツくなっているということなのでしょう。

この試合を通してリンツのパス回しのスピーディーさには驚かされたのですが、60分を過ぎたあたりから、だんだんと彼らにもパスミスが目立ち始めます。

リンツは早めに3枚の交代カードも使い切り、監督の焦りが伝わってくるようです。

一方ホルンは64分に前節得点をあげている右ワイドアタッカー、28プライニンガーを下げ、4榊翔太を投入。

70分にはその逆サイド、左ワイドアタッカー9ケビン・タノに代えて36ニコラス・オルシーニを投入します。

恐らく意図としては、前かかりな相手に対してショートカウンターを仕掛けたかったのでしょう。

同じような特徴の選手達どうしの交代なので、ワイドの選手の疲労を考慮しての交代でしょうか。

徐々にリンツが焦れてきて完全に両SBが高い位置をとり始めると、ホルンもその裏を上手く使って数的優位を作れる効果的なカウンターを仕掛けることができるようになってきました。

しかし、リンツの攻める姿勢が80分、実を結びます。

再三にわたって高い位置をとり続けたリンツの左SBパブロの突破はホルンのディフェンス3人がかりでも止められず、ペナルティエリア内で危険なスライディング。

ホルンはPKをとられてしまいます。

権田修一はキックの方向を完全によんで横っ跳び。ボールに手を当てたのですが、パワフルすぎるキックに手がはじかれ、そのままボールはゴールに吸い込まれてしまいました。1-1

こうなってしまっては試合は完全にリンツのペース。

ホームの雰囲気も相まって更にイケイケで攻めてきます。

それに対してホルンの濱吉監督は20矢島倫太郎に代えて34ハーフナー・ニッキを投入。

この交代には「逃げ切るぞ」という姿勢をチームに呼びかける狙いがあったと思います。

34ハーフナーは本職のCBではなく一列前、アンカーのポジションに入って相手のロングボールを跳ね返し続けます。

アディショナルタイムはなんと5分!そんなにタイムロスはなかったはずなのですが、これがホームの力なのでしょうか。少々、というか大分露骨なホームジャッジです。Jリーグでもこれくらいやれば盛り上がるのは盛り上がるのではないでしょうか?アウェイ側からしたらたまったものじゃないですが…

さて、ホルンはそのまま試合終了まで1権田修一を中心に守り続け、ゲーム終了。

結果は1-1。ホルンの得点者は18ヴァルチでした。

 

試合総評

小さいながらも雰囲気の良いスタジアムでした。

ホルンはこの試合かなり低いラインでブロックを作ってカウンター狙い、という戦い方でした。

リンツはとにかくパスのスピードが速い!

それに加えて両SBがゴリゴリ縦にドリブルを仕掛けてくるので、ホルンのディフェンスはきりきり舞いにさせられてしまっていました。

しかしフィニッシュの制度がものすごく、ものすごく低かったのと、権田修一の安定感、それにホルンディフェンスの粘り強さもあって、試合を通してリンツに得点のにおいはあまりしませんでした。

それだけにPKはもったいなかったかと。

このPKにつながるドリブルを仕掛けたのはリンツの左SBパブロ選手。

体が強い、アーリークロスが武器、ドリブルはうまい、そして速い、と4拍子揃った選手で、とにかくこの試合を通して目立っていました。

個人的なMOMにはこのパブロ選手も考えましたが、やはりここは1権田修一選手を選出させていただきます。元日本代表の力を存分に見せつけていました。

ホルンとしては首位相手のアウェイゲームで上々の勝ち点1奪取だと思います。

しかし他会場での試合の結果、1つ順位を落として現在9位。

厳しい戦いは続きます。

 

日本人選手たちの活躍

権田修一:フル出場

・・・スーパーな活躍でした。本田圭佑氏が語るように、2部とはいえ各クラブのスカウトが目を光らせている欧州市場において、すぐにでも大きなクラブに引き抜かれてもおかしくないほどの活躍を見せました。

セーブ良し。ポジショニング良し。クロス対応良し。キック良し。

特にキックに関しては浦和レッズの守護神、西川選手に勝るとも劣らない出来だったと思います。

PKを止めていたら町のヒーローになっていたんじゃないか、と思います(笑)

意外だったのは、HTに放送された本田圭佑氏に対するインタビュー映像で、彼が権田選手について語った内容。

彼によると権田修一選手のリーダーシップは世界に通用するそうです。

彼に対してあまりそのようなイメージが無かったので、少しうれしい驚きでした。

いつ日本代表に帰ってきてもおかしくない、というか呼ばれないのがおかしいくらいの選手だと思います。

20矢島倫太郎:先発し、84分までプレー

・・・彼は2列目での起用だったかと思いますが、あまりボールが来ず、落ちていってボールを散らす姿が印象的でした。後半になってホルンのカウンターが成立しだすと幾つか決定的なスルーパスを出すシーンも見られましたが、スタミナが課題なのか時間の経過と共にラストパスや判断のミス、危険なタックルも散見されました。

献身的な守備の姿勢は光る部分もあったので、次の試合に期待です!

榊翔太:64分から途中交代でプレー

・・・後半途中から右のワイドアタッカーとしてプレー。カウンターでのスピードを生かしたプレーを期待されての投入だと思いますが、ほとんどボールに絡めず。

ホルンのカウンターは主にワントップを張る23スリマニに向けてのロングボール主体で、彼にボールがあまり収まらないので辛い部分もありました。

チームとして、榊の裏へボールを出すという共通認識があまりないように感じました。1試合だけなので断定はできませんが、もっとチームとして彼のスピードを生かすようにしていった方がよいと思います。

34ハーフナー・ニッキ:84分から途中交代でプレー

この試合ではアンカーのポジションに入りました。実況の方によると前節も同じポジションで途中出場したそうなので、チームとしての逃げ切りの形なのかもしれません。

199cm の体躯はオーストリアでも十分に通用しているように見えました。

以外にスピードもあり、ピッチを右に左に走り回って守備をする姿勢は非常に迫力があります。

しかし、問題なのはタックルと時間帯に関しての意識。

逃げ切りを図るチームで途中から出場し、自陣30メートルの位置で危険なファールを短時間に2回も与えてしまったのは反省材料です。

次はもう少し長く見たい。

 

雑記

①LASKリンツの選手は前半からダイブが多かった

幸い審判の質が高かったので不可思議なファールは取られませんでした。

しかし、もしリーグ全体としてファール狙いのダイブが多く、そのせいで皮肉にも審判の質が上がっているのだとしたら…難しいところです。

②SVホルンは5年でチャンピオンズリーグに行けるか?

実質的オーナーを務める本田圭佑氏は就任から5年でチャンピオンズリーグに出場することを目標に掲げています。

しかしながら、この5年でチャンピオンズリーグ出場を果たすのはかなり難しい道のりと言わざるを得ません。

単純計算でも、

1年目・・・去年。3部優勝、2部昇格

2年目・・・今年。最低でも2部残留、大幅補強はマスト ←イマココ

3年目・・・来年。2部優勝、1部昇格

4年目・・・2年後 1部残留、大幅補強はマスト

5年目・・・3年後 1部優勝、CL予選を勝ち抜いて本大会出場!

と、かなりのハイペースで進まなければなりません。

現在1部で連覇を果たしている南野拓実所属のザルツブルグレッドブルグでさえ近年CL本戦には進めていません。

苦しい戦いが予想されますが、これからのホルンの戦いに注目です。

 

SVホルンは次節、9節の結果により首位に躍り出た奥川雅也所属のFCリーフェリングと対戦します。

 

以上、オーストリア2部リーグ第9節 SVホルン VS LASKリンツ マッチレビューでした。

 

 

所信表明

新規にプロジェクトを始めるために必要なこと。

条件や制約は数多くありますが、中でも「今後どのような方針をもって組織や媒体を運営していくか」を具体的に打ち出すことは必要不可欠です。

プロジェクトなんて大げさなものではないですが、当ブログを開設するにあたって記事をどのような指針に基づいて執筆するかについては触れる必要があるでしょう。

ということで、以下を当ブログ運営にあたっての方針とします。

方針① サッカーに関すること

・・・言語や仕事等書きたいことはたくさんありますが、内容が多岐にわたると何を目的としているのかぼやけてしまうので、内容は可能な限りサッカーに関する記事に絞る。

方針② 日本サッカー界に貢献すること

・・・個人やいちクラブを徒に貶め、日本サッカー界進歩の足を引っ張るような記事は書かない。

方針③ 継続する

・・・これが一番の難関でしょうか。

 方針④ 見ている人、そして書いている私自身のサッカー力を鍛える

私は10年近くサッカーをやっていただけの、ただのサッカーサポです。

閲覧者や私自身が豊かにサッカーを楽しめるように、より多角度、そして深くサッカーを観戦できるようになれるための記事を執筆します。

…以上の4点を念頭に置いてブログ活動を開始します。

 

どうぞよろしくお願いします。